腎臓内科とは
腎臓内科(じんぞうないか)は、腎臓の機能や病気に関する専門的な診断と治療を行う診療科です。
私たちの体は日々、新陳代謝によってさまざまな老廃物や不要な物質を生み出しています。これらが体内に蓄積すると健康に悪影響を及ぼすため、それを効率よく体外に排出する役割を担っているのが腎臓です。
腎臓とは
腎臓は左右に1つずつあり、1日におよそ50リットルもの血液をろ過しています。このろ過によって老廃物や余分な水分が尿として排出されるだけでなく、体内の水分量や電解質バランスの調整、血圧の維持、さらには赤血球の生成を助けるホルモンの分泌など、生命維持に欠かせないさまざまな働きを担っています。
腎臓が悪くなると
腎臓の機能が低下すると、これらの重要な役割が正常に果たされなくなり、体内に毒素が溜まることやむくみ、高血圧、貧血などの症状が現れることがあります。特に腎臓の疾患は初期段階では自覚症状が少ないため、気づいたときには病気が進行していることも少なくありませんので注意が必要です。
こんな時は腎臓内科へご相談ください
以下のような症状がある場合は腎臓内科にご相談ください。
よく見られる症状・サイン(慢性的に悪くなる場合:CKDなど)
- むくみ(浮腫):足首〜すね、顔(まぶた)など。体内に余分な水分がたまりやすくなります。
- 尿の変化
- 尿量が増えたり減ったりする
- 夜間にトイレが増える(夜間尿)、頻尿
- 健診などでタンパク尿・血尿を指摘される(代表的な所見)
- だるさ・疲れやすさ(進行例で目立ちやすい):尿毒素の蓄積や貧血などが関係します。
- 高血圧:体液・電解質や血圧調整がうまくいかず悪化することがあります。
早めに受診・相談したい「危険サイン」
次のような状態は緊急性が高いことがあります(腎臓以外が原因でも要注意です)。
- 尿が急にほとんど出ない/急激に減った
- 息苦しい、横になると苦しい、急な体重増加や強いむくみ
- 胸が苦しい・脈が乱れる・意識がもうろう(腎不全では高カリウム血症が重い不整脈につながることがあります)
- はっきりした血尿、強い背中(わき腹)の痛み、発熱を伴う
症状がなくても検査でひっかかる場合
腎臓病は初期に症状が出にくいので、尿検査(尿蛋白・血尿)と、血液検査(クレアチニン、eGFR など)で確認をしないと腎臓の悪化がわからないことがあります。下記の検査結果の方は腎臓内科を受診をお薦めします。
- eGFR < 60 が3か月以上続いている
- クレアチニンが基準値を超えている
- 尿タンパク(+以上)が持続
- 血尿(特にタンパク尿を伴う)
- 健診で「腎機能低下」「要再検査」と言われた
当院では腎臓内科、透析専門医の医師が在籍していることから、腎臓について専門的な診療が可能です。
腎臓内科の診療を希望される方は水曜日・金曜日の午前中の当院外来を受診してください。
腎臓内科で担当する主な病気 - DISEASE
腎臓内科で担当する主な病気は下記のとおりです。
- 慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働き(eGFR)の低下や尿たんぱくなどの異常が3か月以上続く状態を指します。
初期は症状が乏しい
初期は症状が乏しい一方、進行するとむくみ・貧血・高血圧が出やすく、末期では透析や腎移植が必要になることがあります。
原因
原因は糖尿病・高血圧・腎炎などが多く、心筋梗塞や脳卒中など心血管病のリスクも高まります。
治療
治療は原因疾患の管理に加え、血圧・血糖の最適化、減塩、適正たんぱく摂取、禁煙、薬剤調整(腎毒性薬の回避)を行い、定期的な血液・尿検査で進行を早期に捉えることが重要です。
- 高血圧に伴う腎障害(腎硬化症)
高血圧に伴う腎障害(腎硬化症)は、長期間の高血圧で腎臓の細い血管が傷み、腎臓が硬くなって働きが徐々に低下する病気です。
症状
初期は自覚症状が乏しく、健診で蛋白尿(多くは軽度)やeGFR低下として見つかります。進行すると夜間尿、むくみ、貧血が出たり、慢性腎臓病(CKD)として腎不全へ進むこともあります。また心筋梗塞・脳卒中など心血管病リスクが高まる点も重要です。
治療
治療の中心は血圧管理で、減塩、体重管理、運動、禁煙に加え、ACE阻害薬/ARBなどを用いて目標血圧を達成し、腎機能・尿蛋白・電解質を定期的に確認します。
- 糖尿病性腎症(糖尿病関連腎障害)
糖尿病性腎症(糖尿病関連腎障害)は、糖尿病による高血糖が腎臓の糸球体を傷つけ、尿アルブミン(蛋白)が増え、腎機能(eGFR)が徐々に低下する病気です。
症状
初期は症状が乏しく、微量アルブミン尿として健診で見つかることが多い一方、進行すると蛋白尿増加、むくみ、高血圧、貧血が出やすく、末期では透析が必要になることがあります。心筋梗塞や脳卒中など心血管病リスクも上がります。
治療
治療の基本は血糖・血圧の厳格管理と生活習慣改善(減塩、体重管理、禁煙)で、ACE阻害薬/ARBで蛋白尿を抑えます。近年はSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬が腎保護にも有用とされます。尿アルブミンとeGFRを定期的に確認し、早期介入で進行を抑えることが重要です。
- 薬剤性腎障害
薬剤性腎障害は、薬の影響で腎臓の働きが低下する状態で、急性腎障害(AKI)として突然悪化することも、慢性的に進行することもあります。
原因
原因薬はNSAIDs(痛み止め)、造影剤、抗菌薬、抗がん薬、PPI、漢方・サプリなど多岐にわたり、脱水や高齢、CKD、利尿薬・ACE阻害薬/ARB併用などで起こりやすくなります。症状は乏しいことが多く、むくみ、尿量低下、だるさなどが出る場合もあります。
治療
治療は原因薬の中止・減量と水分状態の是正が基本で、必要に応じて入院・点滴、電解質管理、透析が検討されます。予防には腎機能に応じた用量調整、自己判断での鎮痛薬連用回避、体調不良時の服薬相談、定期的な血液・尿検査が重要です。
- 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症)
電解質異常は、血液中のナトリウム(Na)やカリウム(K)などの濃度が乱れる状態で、腎臓はその調整役です。
高カリウム血症
高カリウム血症は腎機能低下、脱水、薬剤(ACE阻害薬/ARB、カリウム保持性利尿薬など)、代謝性アシドーシスで起こりやすく、不整脈など致死的合併症の原因になります。
低ナトリウム血症
低ナトリウム血症は利尿薬、心不全、肝硬変、SIADH、過剰飲水などで生じ、頭痛、吐き気、けいれん、意識障害を来すことがあります。評価は症状の重症度と心電図、腎機能、体液量(脱水か水分過多か)の判定が重要です。
治療
治療は原因是正が基本で、重症高Kは緊急対応(心筋保護・K低下治療)、低Naは補正速度に注意しながら輸液や水制限などを行い、再発予防に食事・薬剤調整と定期採血が必要です。
- ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体が障害され、大量の蛋白尿(一般に1日3.5g以上)を生じ、血液中のアルブミンが低下することで全身のむくみが起こる状態です。尿が泡立つ、体重増加、顔や脚のむくみで気づくことがあります。
原因
原因は微小変化型、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症などの腎疾患や、糖尿病・膠原病、薬剤、感染症、悪性腫瘍に伴う二次性があります。合併症として血栓症、感染症、脂質異常症、急性腎障害が重要です。
治療
治療は原因に応じてステロイドや免疫抑制薬を用い、利尿薬でむくみを改善し、ACE阻害薬/ARBで蛋白尿を抑えます。塩分制限、必要に応じたたんぱく調整、定期的な尿・血液検査で経過をみます。
検査結果で異常を指摘された方へ
POINT健康診断や人間ドックで異常を指摘された場合は、早めに受診してください
下記の異常を指摘された場合は必要な検査を受け、疾患の有無を調べることが重要です。
- 血清クレアチニンが高い
- eGFRが低い
健診などで数値の上昇がみられた際は精密検査を受けるようにしましょう。
お問い合わせ
東海内科・内視鏡クリニックでは日本腎臓学会腎臓専門医の医師が、腎臓内科の診療を行っています。
腎臓内科の領域は専門性が高く、深い知識が必要なため、ぜひ専門医にご相談ください。些細なことでも構いません。少しでも気になることがございましたら、お気軽に当院へご相談ください。

後藤 春香
内科・腎臓内科・糖尿病を中心に内科領域全般を診療しています。
地域に貢献できる医療を提供できるように精一杯がんばります。
資格
- 日本内科学会内科専門医
- 日本腎臓学会腎臓専門医
- 日本透析医学会透析専門医
経歴
- 広島大学医学部医学科卒業
- 名古屋セントラル病院初期研修医
- 名古屋セントラル病院腎臓内科レジデント
- 国立名古屋医療センター腎臓内科レジデント
- 名古屋セントラル病院腎臓内科副医長
現在に至る
文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康