ATTENTION
胃炎の症状に悩まされていませんか?
代表的な症状
- 胃の痛み
- 胃もたれ
- むかつき
- 胸やけ
- 吐き気
- 膨満感
- 食欲不振
上記のような症状がある場合、胃炎をはじめとした胃の病気の可能性があります。強い症状があったり、慢性的な症状を繰り返す場合には早めにご相談ください。
胃炎とは、胃の粘膜が炎症を起こした状態をいいます。食べ過ぎ、過度な飲酒、喫煙、ストレスなどが原因となる「急性胃炎」と、多くの場合、ピロリ菌の感染が原因となる「慢性胃炎」に分けられます。
慢性胃炎の原因はほとんどがピロリ菌感染

慢性胃炎は、ピロリ菌感染によって生じるケースが最も多く、それ以外に非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)など薬の副作用や、暴飲暴食、ストレス、喫煙などで生じることがあります。
ピロリ菌に感染すると胃に慢性的な炎症を起こし、炎症が長期間に及ぶと胃の粘膜が萎縮をおこし、それに加えて胃・十二指腸潰瘍や癌、悪性リンパ腫や特発性血小板減少症などさまざまな病気を発症することがあります。特にピロリ菌感染では胃癌の発生が問題となり、
ピロリ菌について
昔は、強力な酸性の胃酸が存在する胃に生息できる細菌はないと思われていましたが、オーストラリアのマーシャル医師が1982年に胃の粘膜からピロリ菌を取り出して培養することに成功し、胃の中にピロリ菌が生息できることが確認されました。その後、ピロリ菌についての研究が世界中で進み、ピロリ菌感染が胃がんリスクの高い胃炎(萎縮性胃炎)や胃・十二指腸潰瘍など多くの疾患の原因であることがわかってきています。
ピロリ菌感染は主に幼少期に起こります
ピロリ菌の感染経路は、結論がでていませんが、ピロリ菌は土壌にも自然に生息しており、井戸水などを介して経口感染したり、感染している大人から乳幼児への口移しが原因で感染する可能性が考えられています。
幼少期に感染が成立すると考えれており、成人になってからの感染はまれとされています。 父親や母親が胃がんにかかっている場合は、井戸水や口移しなどが原因で自身も感染している可能性がありますので、なるべく若い年齢のうちに一度検査を受けることをお勧めします。
ピロリ菌に感染をし、感染している期間が長ければ長いほど発癌のリスクが高くなり、早めの除菌治療が推奨されます。
ピロリ菌感染検査
ピロリ菌検査は、基本的には胃カメラ検査を行い、ピロリ菌の感染を疑う胃炎や潰瘍、胃がんなど認めた場合を症状などから感染が疑われる場合にピロリ菌検査が健康保険適用されます。保険適用の条件は下記の通りです。
保険適用の条件は下記の通りです。
- 内視鏡検査または造影剤を用いたX線検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された
- 胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病の診断を受けた
- 早期胃がんに対する内視鏡の治療を受けた
- 胃カメラで胃炎と診断された
ピロリ菌検査を保険適用で受けるためには、胃カメラを受ける必要があります。半年以内に受けた胃カメラで上記の診断を受けた場合は、その診断が有効とされて保険適用されます。なお、当院以外で受けた半年以内の胃カメラの場合も、診断結果をご持参いただければ保険適用となります。
ピロリ菌感染検査の種類 - TYPE
胃カメラで組織を採取して調べる検査と、胃カメラを使わない検査に分けられ、それぞれ複数の検査法があります。
- 胃カメラで組織を採取して行う検査
胃カメラは、食道・胃・十二指腸粘膜の精密な観察に加え、止血などの処置や組織採取が可能な検査です。採取した組織は病理検査で多くの疾患の確定診断が可能になる他に、ピロリ菌感染の有無を調べるためにも使われます。胃カメラによる組織採取で行うピロリ菌感染検査には、迅速ウレアーゼ試験、検鏡法、培養法があります。
迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌はウレアーゼという酵素を用いて周囲の尿素からアンモニアを産生し、周囲を中和しています。この働きを利用してピロリ菌の有無を確かめる検査です。
検鏡法
採取した組織を顕微鏡で観察し、ピロリ菌の有無を確かめます。
培養法
採取した組織を培養してピロリ菌感染の有無を調べます。薬剤耐性のチェックなど、より精密な検査も可能になります。
- 胃カメラを使わない方法
血液や尿を用いる抗体検査、吐く息を採取して行う尿素呼気試験、便を調べる便中抗原検査に分けられます。
抗体検査
血液や尿を採取してピロリ菌に対する抗体の有無を調べる検査です。除菌に成功しても長期間陽性となってしまう検査であることから、除菌治療の成功判定には使われることがありません。
尿素呼気試験
特殊な薬を服用する前と後の呼気(吐く息)を採取して、ピロリ菌感染の有無を調べます。胃カメラを用いない検査の中では精度が高く、除菌治療の判定検査として行われることが多くなっています。
便中抗原検査
採取した便にピロリ菌抗原が存在するかどうかを調べる検査です。
ピロリ菌感染の有無を調べる場合、そして除菌治療の成功判定をする場合、上記の検査を行います。複数の検査を組み合わせて診断することもあります。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の感染が確認されたら除菌治療が必要です。除菌治療は2種類の抗菌薬と、その効果を高める胃酸分泌阻害薬(プロトンポンプ阻害剤)を1週間、1日2回内服するという内容です。服用終了後、除菌の効果を正確に調べるためには、1ヵ月ほど期間をおいてから判定検査を行う必要があります。ピロリ菌には薬剤抵抗性を持ったものが存在します。初回の一次除菌の成功率は約90%とされています。失敗した場合には、抗菌薬を1種類変更してあとは同様の二次除菌が可能です。
なお、除菌治療では、下痢・軟便・味覚異常・肝障害やアレルギー反応といった副作用が生じる可能性があります。また、胃粘膜の状態が改善することで逆流性食道炎を起こし、胸やけなどの症状を起こすことがありますが、ほとんどの場合は自然に緩和していきます。
ピロリ菌が心配になったら
ピロリ菌は除菌治療が早ければ早いほどいいとされています。治療は内服治療を行いますが、ただしく治療をしないと除菌がうまくいかなかったり、薬に耐性をもってしまい、除菌ができなくなったりすることがあります。専門的な医療機関でしっかりとした診断と治療を受けましょう。
当院は日本ヘリコバクター学会認定のH.pylori感染症認定医が診療にあたっています。治療内容や副作用とその対処法なども含め、わかりやすく丁寧にご説明しています。なんでもお気軽にご相談ください。