性病検査(クラミジア・淋菌・梅毒)

-クラミジアについて
-淋菌について
-梅毒について
-今、知りたい、性感染症

このような症状がある方はご相談ください。

性病検査
  • おりものの臭いが気になる
  • おりものに出血が混じっている
  • おなかの痛みが持続している
  • 尿道に違和感がある
  • のど(咽頭)の痛みが続いている
  • パートナーが性感染症にかかった

クラミジアは主に性行為によって感染する細菌で性感染症の中では最も多い原因となっています。
主に尿道、子宮頸管(子宮の入り口)、眼の結膜、咽頭(のどの奥)に感染して症状を起こします。

 

 


 

クラミジア感染では以下のような病態を引き起こします

 
女性 子宮頸管炎・子宮付属器炎・骨盤腹膜炎・不妊症・子宮外妊娠
男性 前立腺炎や精巣上体炎

特に、女性は子宮や付属器(卵管・卵巣)の周辺に癒着を起こし、将来的に不妊の原因となることがあるため、早期の発見・治療が望ましいです。

-症状がない場合も

 

クラミジア感染を疑う場合

性器クラミジア感染症で症状が現れるのは感染例のわずか20%程度という報告もあり、クラミジアに感染しても症状が出現しない場合も多いです。気になる症状がない場合でも、無防備なセックス(コンドームなし)が行われた場合や、パートナーに何か症状がある場合などは、検査をお勧めします。

 

 



淋菌感染症の症状

クラミジアと似たような症状を起こす感染症として淋菌感染症があります。
淋菌感染症は淋菌(Neisseria gonorrhoea)という細菌により起こる性感染症です。男性は主として淋菌性尿道炎を呈し、女性は子宮頚管炎や骨盤腹膜炎をおこします。

男性の症状

男性の尿道に淋菌が感染すると、2日から1週間程度の潜伏期間を経てから症状が出現します。尿道から膿(うみ)が出現し、尿を出すときに痛みがでてきます。しかし最近では、男性の場合でも症状が典型的でなく、粘液性の分泌物であったり、場合によっては無症状に経過することも報告されています。

- 女性の症状

女性では男性より症状が軽くて、無症状のまま気が付かないこともあります。自覚されないまま経過することが多いですが、子宮頸管炎や内膜炎を起こすと以下のような症状が出現します。

 

  • おりものの量が増える
  • 緑黄の濃い色のおりものが出る
  • おりものの匂いが強くなる
  • 不正出血がある
  • 下腹部に痛みを感じる
  • 排尿時に痛みを感じる
  • 尿の回数が増える(頻尿)
  • 性交時に痛みを感じる

 



クラミジア、淋菌の検査

クラミジア、淋菌の検査

淋菌、クラミジアの女性患者への検査は、尿検査ではなく、頸管粘液採取が推奨されています。一方、男性は尿からの検体採取で検査しています。

また、当日すぐに結果を知りたい方には迅速キット(ラピッドエスピー®︎)もあります。感度はPCR法に比較してやや劣りますが、10〜15分程度で結果が出るのでお急ぎの方や1回で受診を済ませたい方には最適です。

咽頭への感染が疑われる場合は、ぬぐい液(綿棒で粘液を採取)もしくはうがい液の2種類の方法がありますが、当院では患者さんに負担の少ないうがい薬を推奨しています。


 

喉(のど)の痛みが続いている場合はクラミジア、淋菌性咽頭炎かも

オーラルセックスを行うことで、のどにクラミジアや淋菌が感染することがあり、その数は近年増加傾向にあります。クラミジア、淋菌性咽頭炎になった場合、のどの痛みが続くことがありますが、無症状の場合もあります。咽頭炎の検査には、のどの奥を綿棒でこすって粘液を採取したり、うがい液で検査を行います。

喉にも感染を起こします

喉の淋菌感染症は、オーラルセックスにより感染することがほとんどです。
通常の咽頭炎のようにのど痛みや腫れ、せき、発熱など、風邪に似た症状が現れます。しかし、男女問わず症状が出ないこともあり、症状も風邪と似ているため、ご自身がのどの性感染症になっていることに気づかない場合もあります。

近年は性行為の多様化により、オーラルセックスを原因とする咽頭の性感染症は特に増加傾向にあり問題になっています。性感染症の中でもクラミジア・淋菌はとても頻度が高く、特に20-30代の方は感染機会が多いです。また、淋菌とクラミジアいずれに感染した場合も症状に乏しい場合も多いことが特徴で、いつのまにか感染している場合があります。 感染を知らないままにしておくと、大切なパートナーに感染させてしまったり、将来的な不妊の原因となってしますことも珍しくありません。 これらを予防するには、コンドームをしない無防備なセックスを避けることと、無症状であっても、感染の機会があった場合は検査をして、早期の治療につなげることが重要です。

 

 


 

クラミジア、淋菌と診断されたら-治療法について

クラミジア、淋菌に効く抗生物質クラミジア、淋菌共に抗生剤の投与を行います。クラミジアにはマクロライド系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬を使用します。淋菌にはセフェム系抗生物質を投与します。

抗菌薬は種類を間違えると効かない

クラミジアには、ほかの病気でよく使われるペニシリン系抗菌薬やセフェム系抗菌薬は効きません。上記にあるようなマクロライド系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬の薬が必要です。

淋菌はセフェム系抗生物質、特にセフトリアキソンを投与することが多いです。

しかし近年、淋菌においては耐性菌の出現が問題視されており、治療が年々困難になってきています。

パートナーも必ず検査を

クラミジアと診断された場合は、パートナーも感染している可能性が高いので、ピンポン感染を防ぐためにも、ぜひお二人同時に検査、治療を受けるようにしてください。
※ピンポン感染とは卓球の打ち合いのようにパートナー同士で性病を相互に移しあうことを指します。抗生剤で完治をしてもまたパートナーから菌をもらってしまうので、なかなか治療が完結しない状態です。

 

 


 

クラミジア、淋菌の予防

性感染症に関する科学的な知識は増えているにも関わらず、日本だけではなく世界規模で性感染症が年々感染率が上昇し、問題となっている状況です。

性感染症の蔓延を阻止し、その規模を縮小するためには「検査」、「治療」および感染を未然に防ぐ「予防」の三本柱が重要といわれています。

身近で予防効果の高いものとして、コンドームの着用があげられます。適切に使用すると、コンドームは性感染症の予防効果が高い方法です。セックスのたびにコンドームを必ずつけるようにすることは、性感染症から自身やパートナーを守るsafer sex(安全なセックス)として推奨されています。性病の予防にはコンドームを使用しましょう。

また、新しいパートナーができた場合や複数のパートナーがいる場合は定期的に検査(1年に1回以上)を受けることは重要です。それ以上に不特定多数の人とパートナーにならないこと、お互いにとってそれぞれが唯一のセックスパートナーであることなどを遵守することで性感染症は予防可能です。



梅毒とは

梅毒は、主に性的な接触などでうつる感染症です。

原因は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌で、全身に様々な症状が出ることがあります。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や神経、心臓に重大な合併症を起こすことがあります。

性行為などがあり、下記のような症状がある方は梅毒の可能性があります。
  • 局部や肛門、口唇、口の中などにしこり・びらん・潰瘍がある。
  • 皮膚や粘膜に硬いイボのような病変ができた。
  • 手のひらや足の裏を含めた全身に、赤い斑点が出現した。

梅毒の症状は感染から3週間ほどしてから出ることがあります。初期は症状もほとんどでないことがあるので、注意が必要です。症状がなくてもパートナーに感染が疑われるなどした際は検査を受けることをお薦めします。

 


 

梅毒の症状

梅毒は何年もかかって徐々に体をむしばんでいきます。

病期によって、症状の出現する場所や内容が異なります。治療を行わなかった場合の典型的な経過は次のとおりです。

 - Ⅰ期顕症梅毒: 感染後数週間

口の中や肛門、性器等にしこりや潰瘍ができることがあります。また鼠径部のリンパ節が腫れることがあります。これらの症状は痛みを伴わないことが多いです。これらの症状や所見は約3~6週間で自然に軽快し、自然に治ったようにみえます。

 - Ⅱ期顕症梅毒: 感染後数か月

感染から3ヶ月程度経過すると、梅毒が血液によって全身に運ばれ、全身に淡いバラ色の発疹が出現します。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれます。手のひら、足の裏、体幹部などに出現します。
発疹などの症状は、Ⅰ期と同様に数週間以内に自然に軽快し、治ったように見えますが、梅毒が消えた訳ではありません。

 - 晩期顕性梅毒: 感染後数年

感染後数年〜数十年が経過すると、ゴム腫とよばれる腫瘤が皮膚や筋肉、骨などに出現します。また大動脈瘤や大動脈弁逆流症などの心血管梅毒、脊髄癆や進行性麻痺などの晩期神経梅毒を呈し、致死的となることがあります。

妊活中の方、妊娠している方は要注意です。

妊娠している人が梅毒にかかると、流産、死産となったり、子が梅毒にかかった状態で生まれる先天梅毒となることがあります。感染した妊婦への適切な抗菌薬治療によって、母子感染するリスクを下げることができます。

 


 

梅毒の検査

梅毒では、どのような検査を行いますか?また検査はどこで受けられますか?

血液検査(抗体検査)で診断が可能なことがほとんどです。病変から検体を採取して顕微鏡で観察する検査や、PCR検査が行われることもあります。

 - 梅毒の血液検査

血液検査ではTPHA法(トレポネーマ・パリダムヘマグルチニン法)とRPR法(Rapid Plasma Reagin法)という検査項目を確認します。TPHA法とRPR法を組み合わせて使用することで、梅毒の診断精度を高めることができます。

TPHA法

TPHA法は梅毒感染によって体内に生成される特異的な抗体を検出します。梅毒(トレポネーマ・パリダム)に対する抗体が血液中に存在するかどうかを確認するために使用されます。
高い感度と特異性を持ち、一度陽性になると感染後長期間にわたって陽性のままとなることがあります。そのため、過去に梅毒に感染したことがある人では、治癒後も陽性反応を示すことがあります。

RPR法

RPR法は梅毒に感染すると産生される抗脂質抗体(カルジオリピン抗体・レシチン抗体)を検出します。
感染初期や活動期において高い感度を示しますが、梅毒以外の状態(他の感染症、妊娠、加齢など)でも偽陽性反応が出る可能性があります。

梅毒血清反応の結果解釈

検査は一般的な医療機関で可能です。当院でも検査を行っておりますので、気になる症状がある方は当院に受診してください。

 - 梅毒検査を受けるタイミング

次のような感染のリスクがある行為をした場合は検査を受けましょう。

  1. 新しい性的パートナーとの接触:
    新しいパートナーと性的関係を持った後、コンドームなどを使わずに性交渉があった場合。
  2. 複数の性的パートナー:
    不特定多数のパートナーとの性交渉がある場合、定期的な検査が推奨されます。
  3. 性的接触の相手が梅毒に感染している可能性がある場合:
    性行為の相手が梅毒に感染しているか、梅毒の症状がある場合。

 - 梅毒の潜伏期は?

潜伏期とは感染してから最初の症状が現れるまでの時間を指し、人によって異なります。
一般的に、最初の症状がでるまでの平均的な潜伏期間は約3~4週間です。しかしこの期間は10日から3か月程度と変動することがあります。 検査までには3週間程度は期間を空けましょう。


梅毒の治療

しっかり治療をすれば完治が可能です。

梅毒は早期の適切な抗菌薬治療で完治が可能です。
十分に治療されないと病気が進行し、命に係わることもあるため、症状がよくなっても自己判断で治療を中断しないようにすることが重要です。また、治療によって完治した後でも新たに感染することがあり、予防が必要です。

どのような治療が行われますか?

梅毒には主にペニシリン系の抗菌薬で治療を行います。抗生剤は従来、内服薬が主流でしたが、2021年に筋肉注射の製剤「ステルイズ®」が承認されました。内服薬では感染初期の第1期で2~4週間、バラ疹などの特徴的な症状が現れる第2期では4~8週間、現在ではあまり見られなくなった第3期以降では8~12週間の抗生物質の服用が必要です。ステルイズ®の場合は早期梅毒では1度の注射、後期梅毒でも3回の注射で治療が可能となりました。

 


 

性病かもと不安になったら

性病かもと不安になったら、当院にご相談ください。
当院では産婦人科専門医が診療を行っております。お忙しい方には月に1度、日曜日の診療も行っています。
詳しくは当院にお問い合わせください。

今、知りたい、性感染症

動画で性感染症について解説を行っています。

文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 

仙波 恵樹

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    :内科外来 :婦人科外来 :内視鏡検査
    ※:日曜内視鏡検査(月1回診療(9:00~12:00、13:00~16:00))
    :土曜内視鏡検査(毎週(12:00~14:00))
    上部内視鏡検査は診療日の午前中に毎日行っています。
    受付時間は診療時間終了30分前

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