高尿酸血症(痛風)

こんな方は痛風に要注意

高尿酸血症

  • 尿酸値が高いと指摘されたことがある
  • 足の指先が痛むことがある
  • 足が赤く腫れている
  • お酒をよく飲む
  • イクラなどの魚卵をよく食べる
  • 運動をあまりしない
  • 腎臓病の病歴がある

上記項目に当てはまる方は、高尿酸血症(痛風)を発症する危険性が高いです。
当院では、高尿酸血症(痛風)の診察・治療を行っています。高尿酸血症(痛風)は、症状が出にくい初期段階から治療を行うことで痛風発作を起こす可能性を下げることができます。そのため、定期的に受診することが非常に重要になります。少しでも不安のある方や健康診断で尿酸値が高いと指摘された方は、お早めに当院へお越しください。

目次

 

 


 

高尿酸血症(痛風)とは

高尿酸血症は血液中の尿酸値が基準値よりも高い状態が続く疾患のことをいいます。具体的には、尿酸値が7.0mg/dlを超えた場合に高尿酸血症と診断されます。通常、尿酸値が高い状態になっても症状が出ないことが多いため、治療をせずに放置してしまう方が多いですが、ある日突然足の親指が腫れて激痛が走る「痛風(発作)」を引き起こす可能性があります。

痛風発作

痛風発作痛風を発症すると2〜3日は歩けないほどの激痛を伴うといわれています。その後、徐々に痛みは和らいでいきますが、正しい治療を受けずに放置していると、痛風発作は繰り返し起こり、そのたびに病状は悪化していってしまいます。

日本生活習慣病予防協会の調査によると高尿酸血症の推定患者数は1000万人以上と言われており、中でも30歳-40歳の男性が多いことが特徴です。高尿酸血症を長い間放置していると、尿酸が徐々に全身に蓄積され、痛風だけでなく尿路結石や腎障害などの合併症が引き起こされる可能性もあります。そのため症状の出ていない段階から適切な治療を行うことが非常に重要となります。

 


 

高尿酸血症(痛風)の原因

高尿酸血症の原因高尿酸血症は、血液中に含まれる尿酸という老廃物の一種が基準値よりも高い状態になることをいいます。尿酸は、細胞の核に含まれる「プリン体」と呼ばれる物質が体内で分解されることにより生成されます。プリン体は体や臓器を動かすためにエネルギー源となり、常に体内で生成されており、通常体内の尿酸は生み出される量と排出される量のバランスを保ちながら、一定の量に保つ仕組みになっています。しかし、イクラなどのプリン体を多く含む食品の過剰摂取により尿酸の量が増え、排出がうまくいかなくなったりすると、体内の尿酸の量は一定量を超えてしまいます。こうして血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dlを超えた状態になると高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症(痛風)の原因は、一般的に生活習慣の乱れによるものが大半です。食事ではプリン体を多く含む食材やアルコール類の過剰摂取は高尿酸血症の原因としてよく知られています。また、肉類に偏った食事内容でも尿酸値が高くなりやすいといわれています。このような食生活を送っている方は、体重が増加傾向である場合が多く、結果として高尿酸血症は肥満の患者さんに多いという傾向があります。

尿酸を多く含む食事は避けましょう

尿酸値を上昇させる可能性がある、尿酸を多く含む食事には以下のようなものがあります。これらの食品にはプリン体が多く含まれており、体内で尿酸に変換されるため、痛風や高尿酸血症のリスクを高める可能性があります。

肉類

  • レバー: 牛、豚、鶏などの内臓肉はプリン体が特に豊富です。
  • 赤身肉: 牛肉、羊肉、豚肉などの赤身肉もプリン体を多く含んでいます。

魚介類

  • いわし、さんま、あんこう: これらの青魚にはプリン体が多いです。
  • 貝類: ホタテ、カキなどの貝類もプリン体が豊富です。
  • 魚卵: イクラやタラコなどの魚卵もプリン体を多く含みます。

その他

  • ビール: アルコール類、特にビールはプリン体を多く含んでおり、尿酸値の上昇につながります。
  • 発酵食品: 一部の発酵食品もプリン体が多い場合があります。

注意が必要な食品

  • 加工肉: ハムやソーセージなどの加工肉もプリン体を含むことがあります。
  • 一部の野菜: アスパラガスやほうれん草など、一部の野菜にもプリン体が含まれていますが、これらの野菜に含まれるプリン体量は肉類や魚介類に比べて少ないため、適度な量であれば問題は少ないとされています。

尿酸値をコントロールするためには、これらの食品の摂取量を適切に管理し、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。また、十分な水分摂取も尿酸の排出を促すために役立ちます。

 


 

高尿酸血症の合併症

高尿酸血症は、基本的に症状が出ないことが多く、痛風や腎障害などを発症してから気付くというケースが多くみられます。下記に、高尿酸血症の代表的な合併症を説明します。

 

痛風

痛風は高尿酸血症を放置することで、尿酸が体に徐々に蓄積していき結晶が生成されることにより発症します。痛風は、「風が吹くだけで激痛が走る」ともいわれており、発作が起こると2〜3日は歩くことが出来ないほどの痛みが続きます。その後は少しずつ症状が落ち着いていきますが、適切な治療を受けないで放置していると、発作は繰り返され徐々に病態は悪化していってしまいます。

腎障害

尿酸値が高い状態が続くことで、尿酸の結晶が腎臓に蓄積され、結果として腎障害になってしまう危険性があります。また、腎障害を発症することで尿酸を排出しにくくなってしまうためさらに尿酸値が高まるといった悪循環が生じてしまいます。さらに、腎障害が悪化すると、慢性腎臓病となってしまうリスクも高まります。慢性腎臓病は腎移植や人工透析が必要になる場合もありますので、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

 


 

高尿酸血症(痛風)の治療

高尿酸血症の治療の目的は大きく分類すると「痛風の発症を防ぐこと」と「合併症の予防」の2つです。また、高尿酸血症の患者さんは同時に肥満や高血圧なども合併している場合が多いため、生活習慣の改善は必須となります。

 

痛風の予防

高尿酸血症の治療は主に生活習慣の改善と薬物療法を平行して行います。

①生活習慣の改善
  • 食事の改善: プリン体が多い食品(特に内臓肉、一部の魚介類、アルコール類)の摂取を控えます。バランスの良い食事に切り替え、野菜中心の食生活を心がけます。
  • 水分摂取: 十分な水分を摂取し、尿酸の排出を促進します。
  • 体重管理: 過体重や肥満は高尿酸血症のリスクを高めるため、適切な体重管理が重要です。
  • 運動: 定期的な運動を行い、健康的な体重を維持します。
  • アルコールの制限: 特にビールや糖分の多いアルコール飲料の摂取を控えます。
  • フルクトースの制限: フルクトースは果糖です。果糖は尿酸値を上昇させます。具体的には成分表示に「果糖ぶどう糖液糖」と書いてあるスポーツドリンクや果物ジュースは避けましょう。またお菓子などにも含まれていることがあります。
②薬物療法

薬物療法では、尿酸の排出を促進する「尿酸排出促進薬」と尿酸の過剰生成を抑制する「尿酸生成抑制薬」の2種類の薬があり、患者さんのタイプに合わせて処方します。

  • 尿酸生成抑制薬: 尿酸の生成を抑制し、血中尿酸濃度を下げることが目的です。アロプリノールやフェブキソスタットがよく用いられます。
  • 尿酸排泄促進薬: 腎臓からの尿酸排泄を促進し、血中尿酸濃度を下げます。ベンズブロマロンやプロベネシドが例です。

痛風を発症してしまった場合

痛風発作が起きてしまった場合には、尿酸を下げる薬は使わずに、まずは解熱鎮静剤などにより痛みの緩和を目指します。痛風による痛みが治まり次第、尿酸を抑える薬による治療を開始します。

  • NSAIDS: ロキソプロフェンなど鎮痛剤を使用します。
  • コルヒチン: 痛風発作の予防や発作時の炎症を和らげます。

 


高尿酸血症(痛風)のよくある質問

痛風発作が起こりやすい季節はありますか?

夏に痛風発作が多いとされます。これには以下のような理由が関係していると考えられます。

1. 脱水
  • 水分不足: 夏は気温が高く、汗を多くかくため、脱水状態になりやすいです。脱水は体内の尿酸濃度を上昇させ、結晶が関節に沈着しやすくなることから、痛風発作を引き起こしやすくなります。
2. 飲酒量の増加
  • アルコール消費: 夏場のバーベキューやお祭りなど、屋外でのイベントが増えることに伴い、ビールやその他のアルコール飲料の消費量が増えることがあります。アルコールは尿酸の排出を妨げるため、痛風発作のリスクを高めます。
3. 食生活の変化
  • 食事の変化: 夏場は冷たい食品や清涼飲料水、プリン体を多く含む食材(例えばビールや魚介類など)の摂取が増えることがあります。これらの食品や飲料も痛風発作のリスクを高める可能性があります。

これらの要因から、夏には痛風発作が起こりやすくなることがあります。痛風発作を予防するためには、夏場でも十分な水分補給を心がける、アルコールの摂取を控えめにする、冷えすぎないよう注意するなどの対策が有効です。また、プリン体を多く含む食品の摂取にも注意し、バランスの良い食事を心がけることが重要です。

痛風を発症したらどうしたらいいですか?

まずは医療機関を受診しましょう。

痛風の多くは脚の親指の付け根あたりが腫れてひどく痛みます。初めて痛風を起こした場合は、それが痛風だと気づかない場合もあります。痛風発作を起こした場合は痛みを起こした部分に外傷歴がないか、運動による骨や関節、人体の異常などの病歴の聴取や、血液検査で高尿酸血症があるかどうかで総合的に診断を行います。
痛風発作を起こした場合は下記のように対処を行います。

  • 冷却: 痛風が発生した関節を冷やすことで、炎症と痛みを和らげることができます。氷を布で包んで患部に当てるか、冷たい水で冷やしてください。
  • 関節の安静: 発作が起きた関節を高くして安静に保ち、なるべく動かさないようにしてください。
  • 水分摂取: 十分な水分を摂取することで、体内の尿酸を薄め、排出を促進することができます。
  • アルコールやプリン体の摂取を避ける: アルコールやプリン体を多く含む食品(特にレバーなどの内臓肉、一部の魚介類、ビールなど)の摂取を避けてください。
  • 医師の診察を受ける: 痛風の症状が現れたら、できるだけ早く医師の診察を受けてください。医師は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイドなどの薬を処方して、痛みと炎症を抑えることができます。

痛風を放置するとどうなりますか?

痛風を放置すると、いくつかの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

1. 痛風発作の頻度と強度の増加
  • 痛風を放置すると、痛風発作がより頻繁に、またより強い痛みを伴って発生するようになります。発作は時間の経過とともに長く、より多くの関節に影響を及ぼす可能性があります。
2. 慢性痛風性関節炎
  • 繰り返しの痛風発作が長期間にわたって続くと、関節の慢性的な炎症、痛み、変形を引き起こす慢性痛風関節炎に進行する可能性があります。これにより、関節の機能障害や慢性的な痛みが発生することがあります。
3. 腎障害
  • 高尿酸血症は、尿酸結石の形成や腎不全を含む腎障害のリスクを高める可能性があります。尿酸結晶が腎臓で沈着することで、腎機能が徐々に低下します。
4. 心血管疾患のリスク増加
  • 高尿酸血症は、心血管疾患のリスクを高めることが示されています。心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる可能性があります。

 


 

問い合わせ

お問い合わせ当院では、高尿酸血症(痛風)の診察や治療にも力を入れております。高尿酸血症は初期段階では自覚症状を感じにくいため、気付かぬうちに進行してしまっているケースが多く見受けられます。その結果、痛風発作や腎障害などの合併症を引き起こす可能性があります。合併症を予防するためにも早期に適切な治療を始めることが非常に重要ですので、心当たりのある方はまずは検査を受けてみましょう。些細なことでもかまいませんので、なにか気になることがありましたらお気軽に当院へお越しください。

文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康

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    上部内視鏡検査は診療日の午前中に毎日行っています。
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