胸部レントゲン検査とは?
胸部レントゲン検査(胸部X線検査)は、X線を使用して、肺、心臓、血管、気管、肋骨、横隔膜などの胸部の内部構造を視覚化します。胸部レントゲン検査は、さまざまな胸部の病気や異常を早期に発見するために健診などでよく行われる検査です。
目次
胸部レントゲン検査の目的
胸部レントゲン検査は何をする検査?
胸の中をX線で写して、肺・気管・心臓・胸の骨の状態を短時間で確認する検査です。痛みはなく、撮影は数秒で終わります。
目的は大きく3つあります。
肺の病気がないか確かめる
- 肺炎(感染による炎症)
- 結核
- 肺がしぼむ(気胸)
- 胸に水がたまる(胸水)
- 腫瘍の可能性 など
咳・発熱・息切れ・胸の痛みがあるときの原因探しにも役立ちます。
心臓や血管の異常の「サイン」を見る
胸部レントゲンだけで心臓病が確定するわけではありませんが、
- 心臓が大きく見える(心不全のサインになることも)
- 肺に水がたまっているように見える
など、追加検査が必要かどうかの判断材料になります。
肋骨骨折などの外傷のチェック
胸部レントゲン検査では内臓だけではなく、肋骨や胸骨、胸椎などの骨の評価を行うこともあります。
患者さんが知っておくと安心なポイント
撮影は短く、通常は息を止める時間も数秒です
服や金属(ネックレス、湿布の金属、ブラのワイヤー等)は写り込むことがあるので、指示があれば外します
妊娠中・妊娠の可能性がある場合は、事前に必ず申し出てください
胸部レントゲン検査のAI補助診断
胸部レントゲンは、健康診断や日常診療で非常に重要な検査です。一方で、肺は肋骨・心臓・血管・気管支など多くの構造が重なり合うため、小さな病変ほど見つけにくいという難しさもあります。
AI導入で、当院の胸部レントゲンは何が変わるのか
“見落としリスクの低減”を後押し
撮影した胸部単純X線画像をAIが自動解析し、
結節・腫瘤影/浸潤影/気胸が疑われる領域を検出して、画像上にマーキングします。
医師はそのマーキングも参考にしながら最終的に読影することで、
「見つけにくい小病変」を見落としにくくする体制を強化できます。
※重要:AIは診断を確定するものではなく、あくまで医師の読影を支援する補助ツールです。最終判断は医師が行います。
“ヒートマップ+スコア表示”で、説明がより分かりやすく
AI解析後は、疑わしい部位の確信度(0~100)に応じて色分けするヒートマップが表示され、スコアも確認できます。
解析は数十秒。待ち時間はほぼそのまま
AIの解析自体は数十秒程度で完了するため、検査の流れや待ち時間は大きく変わりません。
これまで通り、スムーズに結果説明が可能です。
たくさんの胸部レントゲン写真の中で、見落としを限りなくゼロへ
市民健診・企業健診・一般診療などで胸部レントゲンを撮影する機会が多くあります。
重なり合う肺野から小さな異常影を拾い上げることは、時にとても難しい場面があります。
医師の目に頼るだけではなく、AIの力を
診療に取り入れることで見落としの確率を減らしたり、人間の目では発見できないような病変を検出できるようになります。
当院でも胸部レントゲン検査AI補助診断装置を導入しています。
健診の胸部レントゲン検査でよくみられる所見
胸部レントゲン検査でよく見られる肺の所見は以下のものがあります。
1. 結節影(Nodule)
肺内に見られる小さな円形または類円形の影。直径は3 cm以下のものを指します。
考えられる原因: 良性腫瘍、悪性腫瘍、感染(結核、真菌)、肉芽腫。
2. 腫瘤影(Mass)
直径が3 cmを超える大きな円形または類円形の影。
考えられる原因: 肺がん、リンパ腫、肺膿瘍、大きな良性腫瘍。
3. 浸潤影(Infiltrate)
肺の一部に見られる不透明な影で、炎症や感染が原因。
考えられる原因: 肺炎、肺結核、過敏性肺臓炎。
4. 線状影(Linear or Reticular Pattern)
細い線状の影が網目状に広がる所見。
考えられる原因: 肺線維症、間質性肺炎、石綿肺。
5. 胸水(Pleural Effusion)
胸膜腔に液体が溜まり、肺の下部に無気肺のような影が見られる。
考えられる原因: 心不全、肺炎、癌、結核。
6. 無気肺(Atelectasis)
肺の一部が虚脱し、白く収縮した影が見られる。
考えられる原因: 気管支閉塞、外傷、手術後の合併症。
7. 肺気腫(Emphysema)
肺胞が破壊されて肺の透明度が増し、横隔膜が平坦になる所見。
考えられる原因: 喫煙、職業性粉塵暴露。
8. 気胸(Pneumothorax)
胸膜腔に空気が漏れ出し、肺が収縮する影が見られる。
考えられる原因: 外傷、肺疾患(COPD、肺結核)、医療処置。
9. 肺水腫(Pulmonary Edema)
肺胞や肺間質に液体が溜まり、肺全体が白く濁る影が見られる。
考えられる原因: 心不全、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、腎不全。
10. 胸膜肥厚(Pleural Thickening)
胸膜が肥厚し、線状の影として見られる。
考えられる原因: 慢性感染症、石綿暴露、胸膜疾患。
11. 肺門リンパ節腫大(Hilar Lymphadenopathy)
肺門部のリンパ節が拡大し、影として見られる。
考えられる原因: サルコイドーシス、リンパ腫、結核、肺がん。
12. 大葉性浸潤(Lobar Consolidation)
肺の一葉全体が不透明になる影で、典型的には肺炎によるもの。
考えられる原因: 細菌性肺炎(特に肺炎球菌)。
これらの異常所見が見られた場合は、詳細な診断と適切な治療を行うために、精密検査が必要となります。
健診で「要精査」となった場合、どうすればよい?
胸部レントゲン検査は、肺や心臓などの胸部内臓器の異常を早期に発見するための基本的な検査です。しかし、レントゲン画像だけでは異常の詳細な情報を得ることが難しい場合があります。
胸部レントゲン検査で「要精査」との結果が出た場合、さらに詳しい検査が必要です。実際には胸部CT検査を行い、より正確な診断をつけていきます。
CT検査とは?
CT検査は、X線を使用して体内の断面画像を詳細に撮影する検査です。レントゲン検査に比べて、CT検査は以下の点で優れています。
- 詳細な画像:
体の内部を細かい断面として表示し、異常の位置や大きさ、形状を詳細に確認できます。 - 立体的な評価:
体内の構造を立体的に評価できるため、異常の広がりや周囲の組織との関係を明確にします。
CT検査の安全性について
胸部CT検査を受けるにあたり、放射線被ばくについて心配される方もいらっしゃると思います。
胸部CT検査の放射線被ばく量
CT検査ではX線を使用して体内の断面画像を撮影します。胸部CT検査の被ばく量は検査の機械によっても異なりますが、おおよそ1.5〜7ミリシーベルト(mSv)です。私たちは日常生活でも自然に放射線を浴びており、通常受ける自然放射線量は年間約2.4ミリシーベルトです。胸部CT検査の被ばく量は、これに比べると一時的に高いですが、通常の範囲内で安全とされています。CT検査で使用される放射線量は、通常の診断過程で健康に有害な影響を与えるリスクは非常に低いとされています。
当院でも精密検査としてCT検査を行っています
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当院では、富士フイルム社製の最新のCT検査装置「Supria Advance FR」を導入しています。
この装置は、以下のような特徴を持ち、精度の高い診断を可能にします。
高精細・高画質のCT検査
| 高精細な画像 | 0.625mmのスライス撮影により、微細な病変も見逃さず、詳細な3D画像やMPR画像を提供します。 |
|---|---|
| ガントリチルト機能 | ±30°の傾斜が可能で、放射線感受性の高い部位への被ばくを低減します。 |
| 高精細な画像 |
|---|
| 0.625mmのスライス撮影により、微細な病変も見逃さず、詳細な3D画像やMPR画像を提供します。 |
| ガントリチルト機能 |
| ±30°の傾斜が可能で、放射線感受性の高い部位への被ばくを低減します。 |
患者さんへの配慮
| 体動補正機能 | 体動による画像のズレを補正し、鮮明な画像を確保します。 |
|---|---|
| 大口径ボア | 750mmの大口径ボアにより、様々な体位の患者さんにも対応可能です。 |
| 体動補正機能 |
|---|
| 体動による画像のズレを補正し、鮮明な画像を確保します。 |
| 大口径ボア |
| 750mmの大口径ボアにより、様々な体位の患者さんにも対応可能です。 |
迅速かつ効率的な検査
| 高効率ジェネレータ | 広範囲撮影や多相撮影に対応し、短時間で高品質な画像を取得します。 |
|---|
| 高効率ジェネレータ |
|---|
| 広範囲撮影や多相撮影に対応し、短時間で高品質な画像を取得します。 |
他院の先生方へ ~ご紹介のお願い~
当院では、CT検査を提供しております。
胸部レントゲン異常などCT検査が必要な方がおられましたら患者様のご紹介をいただければ、幸いです。
検査結果について
検査画像はCD-Rに保存し、患者様にお渡しします。検査結果は後日郵送にて医院様へお送りさせて頂きます。
お問い合わせ先電話番号: 058-372-5411
お問い合わせ
東海内科・内視鏡クリニックでは地域の皆様の健康に貢献するため、まごころのこもった医療を提供しています。胸部レントゲン検査での異常を指摘されて、検査をどこで受けようか迷っておられる方や不安をお持ちの方は当院までご相談ください。
ご予約の際はWeb予約もしくはLINE予約をご利用ください。
文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康