こんにちは。院長です。
今日は「舌下免疫療法」についてお話ししたいと思います。
舌下免疫療法はアレルギー症状に悩む多くの方々にとって、効果的な治療法の一つです。
このブログでは、舌下免疫療法の基本情報、効果、適応症、治療のプロセス、および注意点について詳しく解説します。
舌下免疫療法の基礎
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法(SLIT: Sublingual Immunotherapy)は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ舌下に投与し、体内に免疫耐性をつける治療法です。この治療法は、スギ花粉症、ダニアレルギーに対して効果的です。
舌下免疫療法の仕組み
舌下免疫療法は、アレルゲンを舌の下に投与することで、免疫系がそのアレルゲンに対する過敏な反応を徐々に減少させることを目的としています。免疫系がアレルゲンに対して「慣れ」ることで、症状の軽減や根本的な改善が期待できます。
舌下免疫療法の主な適応症
花粉症: スギ花粉症に効果があり、症状の軽減が報告されています。
ダニアレルギー: 家ダニや塵によるアレルギーに対しても有効です。
メリット
非侵襲的: 注射を必要とせず、自宅で自己管理が可能です。
長期効果: 治療を継続することで、長期間の症状緩和が期待できます。
舌下免疫療法の治療の流れ
初めにアレルギー検査を行い、患者さんのアレルゲンを特定します。その後、治療の適応を確認し、治療計画を立てます。
初回投与
初回はクリニック内で薬を投与します。初めての投与後、30分程度待機し、副作用がないか確認します。
自宅での舌下免疫療法の継続投与
初回以降は自宅で毎日1回、舌下にアレルゲンを投与します。
投与は簡単で、アレルゲンを舌下に滴下し、2分間保持した後に飲み込みます。
舌下免疫療法の定期的なフォローアップ
治療の進行状況や副作用の有無を確認するために、定期的に診察を受けます。治療の効果を評価し、必要に応じて治療計画を調整します。
舌下免疫療法の治療期間
舌下免疫療法は長期的な治療です。通常、2〜3年間の継続が推奨されます。
初年度で効果が現れることが多いですが、長期的な効果を得るためには、継続的な投与が必要です。
舌下免疫療法の効果と副作用
舌下免疫療法の効果
舌下免疫療法は、以下のような効果が期待できます。
症状の軽減 :治療を開始してから数ヶ月で、アレルギー症状が軽減することが多いです。
長期的な改善 :継続的な治療により、アレルギー症状の根本的な改善が期待できます。治療終了後も効果が持続することが多いです。
生活の質の向上 :アレルギー症状の軽減により、日常生活や活動の制限が減少し、生活の質が向上します。
舌下免疫療法の副作用
舌下免疫療法は比較的安全な治療法ですが、副作用が発生することもあります。主な副作用には以下があります。
軽度の口腔内症状:口腔内のかゆみや腫れ、違和感が発生することがあります。これらの症状は一般的であり、数日で改善することが多いです。
全身反応 :まれに全身性のアレルギー反応(じんましん、呼吸困難、アナフィラキシー)が発生することがあります。このため、初回投与後は医師の監督下で待機します。
消化器症状 :一部の患者では、吐き気や腹痛が発生することがあります。
まとめ
舌下免疫療法は、アレルギー症状を根本的に改善するための有力な治療法です。
長期的な治療が必要ですが、その分スギ花粉症やダニアレルギーを克服することが期待できます。
舌下免疫療法の中でもスギ花粉に対する治療は、スギ花粉が飛んでいない時期に始めないといけません。
ご質問やご相談がある場合は、いつでも当院までお気軽にお問い合わせください。皆様の健康をサポートするために、最善の治療を提供いたします。
文責 ; 東海内科・内視鏡クリニック 岐阜各務原院
院長 神谷 友康
花粉症についてはこちらもご覧ください。
岐阜で花粉症(鼻水・鼻詰まり)なら| 各務原の東海内科まで (tokai-naika.jp)
参考文献:
- American College of Allergy, Asthma & Immunology: Sublingual Immunotherapy
- World Allergy Organization: Sublingual Immunotherapy for Allergic Rhinitis
- 日本アレルギー学会: 舌下免疫療法のガイドライン