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【内視鏡専門医が解説】眠ったままの胃カメラ・大腸カメラって実際どうなの?

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はじめに

「内視鏡検査はつらい」

「胃カメラ検査で辛い思いをした。」

「大腸カメラ検査はお産より痛かった」

などと、胃カメラ検査、大腸カメラに辛い経験をされたことはありませんか?

「検査は受けたいけど、苦しいのは嫌」「なんとか楽に受けたい」

そのような方は、鎮静剤を使用した内視鏡検査をお薦めします。

今回は、内視鏡検査歴17年_かれこれ20000万件以上の内視鏡検査を行ってきた消化器内視鏡専門医「鎮静剤の実際」をについて説明をしていきます。

 

鎮静剤とは

鎮静剤とは

「鎮静剤(ちんせいざい)」とは、心と体をリラックスさせるために使われる薬で、
不安や緊張、痛みの感覚をやわらげ、ウトウト眠ったような状態を作り出す薬剤です。

胃カメラや大腸カメラのような内視鏡検査では、「怖い」「苦しい」「痛そう」といった不安を和らげ、楽に検査を受けてもらうために使われます。

鎮静剤を使うメリット

鎮静剤を使うメリットは大きくわけて3つあると考えています。

① 検査中の苦痛を大幅に軽減

胃カメラでは嘔吐反射が、大腸カメラでは腸が膨らむ際の痛みが出やすいですが、鎮静剤を使うことで寝ている状態で検査を受けていただくことができます。目が覚めたら検査が終わっているという感覚です。

② 不安や緊張を和らげる

「怖い」「つらい」という気持ちが強いと検査が受けにくくなりますが、鎮静剤によって心理的なハードルが下がります。

③ 医師の観察精度が向上

患者さんの痛みや「おえっ」とするような苦しみがなく、安定した状態ですと内視鏡の操作が安定し、より正確な観察が可能になります。これは見落とし防止にもつながります。

POINT 鎮静剤は患者さんが楽なだけでなく、検査をする側の医師も検査に集中できるという大きなメリットがあります。

 

自分なら内視鏡検査で鎮静剤を使ってもらう?

過去の経験から

私も、過去に何回か内視鏡検査を受けていますが、もし内視鏡検査を受けるとしたら、鎮静剤を使って検査を受けます。
過去に有名な医師の内視鏡検査も受けさせていただいたことがありますが、やはり苦しい思いをしました。
どれだけ上手な医師が検査をしても苦しい人にとっては苦しいのだなと身をもって体験しました。

検査医師の技術の限界がある

検査の上手い医師・下手な医師はもちろんありますが、5mm~10mmほどの機具を胃や腸に通すという検査ですので、どれだけ上手な医師が検査をしても「上手にも限界がある」ということです。
そのようなつらい一面がある内視鏡検査を行う上で、楽に・正確に・安全に受けられるという意味で、鎮静剤の使用は非常に合理的な選択だと考えています。

また、私の医師仲間でも、ほとんどの人が自分の胃カメラ・大腸カメラ検査では鎮静剤を使っています。 私のまわりの医師だけかもしれませんが、医療現場に長く携わる医師たちが、「鎮静下での検査」を選んでいるという事実は、鎮静剤の有用性をよく表しているのではないでしょうか。

POINT 

検査が上手な医師が内視鏡検査を行っても、限界があり、つらい人にはつらい検査になります。鎮静剤を上手に使うことが大事です。

 

鎮静剤のデメリットはないの?

デメリットも存在します。

鎮静剤には多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。ここでは実際の現場でよく相談されるリスクと、それに対する当院での対応についてご説明します。

検査後に眠気が残ることがある

鎮静剤を使用した場合、検査後もしばらくは眠気やふらつきが続くことがあります。
そのため検査後は30分から1時間程度、ベッド上で安静にしていただいております。
ふらつきや眠気の程度は使用する薬剤によってもかわります。

呼吸抑制や血圧低下などの合併症の可能性

ごくまれに、鎮静剤によって呼吸が浅くなったり、血圧が下がることがあります。特に高齢者や心肺疾患のある方では慎重な管理が必要です。

アレルギーや薬剤感受性のリスク

まれに薬剤に対してアレルギー反応が起こることがあります。過去に薬剤でアレルギーを起こしたことがある方は、必ず事前にお知らせください。アレルギー体質の方には、別の鎮静法や非鎮静での対応も選択肢として検討します。

POINT 

鎮静剤には多少のリスクを伴っており、使用する際は注意が必要です。

 

ガイドラインでの提言

日本消化器内視鏡学会の「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン第2版」の鎮静に関する記述です。

胃カメラ検査

Q:鎮静は経口的な内視鏡に寄与するか?

経口的内視鏡の受容性や満足度を改善し,検査・治療成績向上に寄与する

大腸カメラ検査

Q:鎮静は経肛門的な内視鏡に寄与するか?
⇒経肛門的内視鏡時の不安・疼痛軽減,満足度上昇に貢献し,検査・治療成績向上に寄与する。

とされています。胃カメラ検査、大腸カメラ検査ともに鎮静剤を使用することで利点があることを示しています。

一方で、呼吸抑制血圧低下アレルギーなどの鎮静剤を使用することでの偶発症については注意が必要で、

しっかりと呼吸状態や循環動態をチェックした上で使用することが求められています。

POINT 

ガイドラインでも鎮静剤は使用するメリットが大きいとされているが、合併症には気を付けて使う必要がある。

参考;内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン

当院での実際

当院では鎮静剤を使用される患者さんは9割程度です。
多くの方が鎮静剤を使用した検査を希望されて検査をお受けになられます。
その多くの方が「眠ったまま検査が受けることができた」という感想を耳にします。

ただし、鎮静剤を使用しなくても問題なく検査が受けれる方は無理に使用する必要はありません。

過去に検査がつらかった方」や「検査が受けたいけど不安な方」は一度当院にご相談ください。

当院の胃カメラ検査

当院の胃カメラ検査についてはこちらを、大腸カメラ検査についてはこちらをご覧ください。

漫画でも解説しています。

この記事を書いた人

神谷 友康

「医は仁術」

消化器系を中心に内科領域全般を診療しています。
医学をみなさんの日常生活でお役に立てる内容で発信したいと思っています。

資格

日本内科学会総合内科専門医、消化器内視鏡専門医、消化器病専門医など

経歴

愛知医科大学医学部医学科卒業
名古屋セントラル病院消化器内科レジデント
東海学院大学食健康学福祉部講師
名古屋セントラル病院消化器内科医長
愛知県がんセンター病院内視鏡部医長
東海内科・内視鏡クリニック 岐阜各務原院院長

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