胆嚢ポリープとは
胆嚢は、肝臓で作られる消化液「胆汁」を腸に排出する前に一時的に貯める役割を持つ臓器です。この胆嚢の内側に、ポリープ状に盛り上がった組織ができることがあり、これを胆嚢ポリープと呼びます。
胆嚢ポリープの多くは良性ですが、中には癌の前段階となる悪性のポリープも存在します。さらに、最初は良性と診断されても、成長して悪性化する可能性があるため、定期的な観察が推奨されます。一般的には、およそ10人に1人の割合で胆嚢ポリープが見つかるため、決して珍しい病気ではありません。
目次
胆のうポリープの種類と原因
①コレステロールポリープ(最も多い良性ポリープ)
胆汁に含まれるコレステロールが胆嚢粘膜に沈着し、小さな隆起として見える状態です。
特徴
ポリープの特徴としては単発のこともありますが、多発することも珍しくありません。
サイズは数ミリと小さいことが多く、丸く平滑で桑実状や金平糖状に見えることがあります。
1番よく見られるポリープです。
コレステロールポリープは一番よくみられるポリープで、一般にがん化の心配はほとんどありません。
食生活(高脂肪食)や脂質代謝異常、肥満・糖尿病などの生活習慣病との関連が指摘されています。
②腺腫性ポリープ(腫瘍性)
胆嚢粘膜の細胞が腫瘍性に増殖したもので、腺腫性ポリープ自体は良性のポリープですが、将来的にがんへ移行する可能性があります。
胆嚢ポリープ全体の中での割合は5〜10%程度と報告されています。
特徴
単発であることが多く、大きさが10mm以上になると、がん化の可能性を考えます。。
ポリープ内に血流を認めたり、広基性(茎がなく、胆嚢の壁にべったり付着するような形態)の場合、悪性の可能性が高まります。
画像検査(腹部エコー、CT、EUSなど)での質的診断は難しく、経過観察と大きさ・形状の変化が重要です。
POINT
将来的にがんになる可能性があるポリープです。必ず定期的な検査を受けるようにしましょう。
③胆嚢がん
胆のうがんは胆のうの粘膜から発生する悪性腫瘍(がん) のことを指します。
胆のうがんは進行が比較的早いのが特徴です。
胆のうの壁は薄いため、がんが粘膜から漿膜へと浸潤するまでの期間が短く、発見が遅れると進行がんへ移行しやすくなります。
初期の段階ではほとんど症状がなく、多くは健診の腹部エコーなどで偶然に見つかります。
しかし進行すると、右上腹部の痛みや黄疸、体重減少、発熱といった症状が現れるようになります。
悪性を疑うサイン
画像検査で注意する点は、大きさ、形、数、増大傾向、胆嚢壁の変化や血流の有無などです。
POINT以下の病変では悪性を疑います
- 10mmを超える
- 茎がなく付着面が広い広基性の病変
- 単発で目立つ病変
- 短期間で大きくなる病変
胆石の合併、炎症を繰り返す胆嚢、原発性硬化性胆管炎などの背景がある場合は、基礎疾患も含め総合的に判断します。
③炎症性ポリープ
胆嚢炎や胆石症などで胆嚢の粘膜に炎症が繰り返し起こり、反応性に盛り上がったものです。 慢性胆嚢炎、胆石の刺激が原因になることがあります。
胆嚢ポリープの症状
多くは無症状
健康診断や人間ドックの腹部超音波検査で偶然見つかることが大半です。 小さなコレステロールポリープは自覚症状をほとんど伴いません。
症状が出る場合
以下のような状況で症状が出ることがあります。
- 胆石を合併している場合
右上腹部の痛み、背中や肩への放散痛、吐き気、嘔吐。
- 胆嚢炎を合併した場合
発熱、右上腹部の強い痛み、圧痛。 ポリープが大きく、胆嚢の収縮や胆汁の流れを妨げると、食後の腹部不快感を感じることもあります。
がんに関連する場合
胆嚢がんでも早期の場合は自覚症状はほとんどありません。進行するまで症状が乏しいことが多いです。
進行して他の臓器に癌が浸潤すると黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、体重減少、倦怠感などが現れることがあります。
胆のう癌は症状が出にくいので定期的な検査が重要です。
胆嚢ポリープの検査
POINT基本は「腹部エコー検査」
腹部エコー検査は最も一般的で負担の少ない検査です。
【検査の方法】
お腹の表面にゼリーを塗り、超音波のプローブをあてて胆嚢を観察します。 痛みはなく短時間で終わるのが特徴です。 ポリープの大きさや形(丸い・平ら・茎があるかなど)、数、位置を確認します。
妊娠中の方にも可能な身体に影響がない検査です。
精密検査
腹部エコーだけでは判断が難しい場合、次のような検査を追加することがあります。
- 内視鏡的超音波検査(EUS)
胃や十二指腸に細い超音波スコープを入れて胆嚢を近くから観察する方法。壁の層構造や腫瘍の性質をより詳しく評価できます。
- CT検査・MRI検査
病変の広がりや、胆嚢の周囲・肝臓・リンパ節への影響を調べるのに有用です。特にMRIは「MRCP」という方法で胆管や胆汁の流れも描き出せます。
- 血液検査
炎症反応や肝機能の確認、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)を調べることがあります。ただし早期胆嚢がんでは上がらないことも多いです。
胆嚢ポリープは組織検査が難しい。
胆嚢は小さい袋状の臓器であり、胃や大腸と違って内部にカメラなどを挿入することができません。従って身体への負担が少なく組織検査をすることができないため、エコー検査などの画像検査が中心となります。
胆嚢ポリープの治療
①治療が必要ない場合(経過観察)
多くは コレステロールポリープ(良性) で、5mm以下・多発・丸く平滑な形をしている場合は心配ありません。
この場合は 6〜12か月ごとの腹部エコーで大きさや形の変化を確認し、問題がなければ経過観察で十分です。
②手術を考える場合
以下の特徴がある場合は、胆嚢摘出術が検討されます。
- 10mm以上の大きさ
- 急速に大きくなっている
- 単発で目立つポリープ
- 広基性(茎がなく壁にべったり付いている)
- 胆石や胆嚢炎を合併している
- 高齢やPSC(原発性硬化性胆管炎)などリスク因子を持つ
③手術の方法
- 良性のポリープや早期がんの場合
多くは腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われます。
→ 小さな穴を開けて内視鏡で胆嚢を取り除く方法で、体への負担が少なく回復も早いのが特徴です。
- 進行がんの場合
胆嚢の壁を越えて周囲に浸潤している可能性があるときは、開腹手術で胆嚢だけでなく、肝臓の一部やリンパ節も一緒に切除する必要があります。
→ この場合はより大きな手術となります。
まとめ
①胆嚢ポリープは良性のものと悪性のもの、将来的にがんになる可能性のものがあります。
②胆嚢ポリープの検査は腹部エコー検査が簡便で有用です。
③手術が必要となるものもありますが、早期発見、早期治療することで負担の少ない治療が可能です。
お問い合わせ
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医師紹介
神谷 友康
「医は仁術」
消化器系を中心に内科領域全般を診療しています。
丁寧で総合病院にも負けない高いレベルの診療をご提供できるように心がけています。
資格
日本内科学会総合内科専門医、消化器内視鏡専門医、消化器病専門医など
経歴
愛知医科大学医学部医学科卒業
名古屋セントラル病院消化器内科レジデント
東海学院大学食健康学福祉部講師
名古屋セントラル病院消化器内科医長
愛知県がんセンター病院内視鏡部医長
東海内科・内視鏡クリニック 岐阜各務原院院長

当院では各務原市はもちろんですが、岐阜市、岐南町、関市、笠松町、羽島市、瑞穂市にお住いの方からも胆嚢ポリープの診察や検査でご来院して頂いております。
当院は、経験豊かな消化器内視鏡専門医・消化器病専門医が診療にあたっております。胆嚢ポリープを指摘された際やお悩みの方はお気軽に当院へご相談ください。
当院は国道156号線沿いに位置しており、本巣市、山県市、美濃加茂市、美濃市、郡上市、一宮市、江南市、犬山市、扶桑町、大口町からのアクセスも良いため多くの患者様にご来院いただいております。
文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康