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いびきでお悩みの方へ
いびきは、のどや鼻の空気の通り道が狭くなり、振動することで起こります。
以下のような原因でいびきが起こります。
- 鼻づまり、アレルギー性鼻炎
- 肥満
- 飲酒
- 睡眠薬・鎮静薬
- 仰向け寝
- 扁桃肥大
- あごが小さい、舌が大きいなどの体質
- 睡眠時無呼吸症候群
いびきがある=必ずしも病気ではないですが、大きないびきの中に治療が必要な睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあるため、見極めが重要です。
睡眠時無呼吸症候群を疑う症状
「いびきが大きいと言われる」
「寝ている間に呼吸が止まっていると家族に指摘された」
「朝起きても疲れが取れない」
「日中に強い眠気がある」
このような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は何が問題?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は単なる“いびき”の問題ではなく、睡眠の質を下げるだけでなく、高血圧・心疾患・脳血管障害・糖尿病など全身の病気に悪影響を及ぼすことが知られています。放置せず、早めに確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まる、または浅くなる病気です。
特に多いのは、のどの空気の通り道が狭くなって起こる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)です。
日本呼吸器学会の一般向け解説では、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5以上で、症状を伴う場合にSASと診断され、AHI 5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。
いびきの他に下記の症状がある場合は睡眠時無呼吸症候群かも。
- 寝ている間に息が止まっている
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起床時の頭痛
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夜中に何度も目が覚める
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夜間頻尿
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熟睡感がない
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日中の眠気、集中力低下
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仕事中や運転中に眠くなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、夜間の低酸素と睡眠の分断により、眠気・倦怠感・集中力低下が起こります。
居眠り運転や労働災害のリスクにもつながるため、症状がある方は注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群が体に及ぼす影響
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も酸素が下がり、体がそのたびに強いストレスを受ける状態です。その結果、心臓・血管・代謝・腎機能など全身に負担がかかります。
血圧・心臓への悪影響
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、心筋梗塞、心不全、不整脈などのリスク上昇と関係します。特に夜間の低酸素や交感神経の過剰な活性化は、血圧上昇や心血管系への負担につながります。
脳への悪影響
睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞などの脳血管障害とも関連します。さらに、慢性的な睡眠の質低下により、日中の判断力や集中力が落ち、事故リスクを高めます。
代謝・生活習慣病への悪影響
睡眠時無呼吸症候群は糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームと深く関わっています。e-ヘルスネットでも、睡眠時無呼吸症候群は高血圧・脂質異常症・耐糖能異常(糖尿病)・高尿酸血症などを増悪させるとされています。
腎臓などへの負担
睡眠中の低酸素や血圧変動は、腎臓を含む各臓器にも負担をかけます。SASは「眠いだけの病気」ではなく、全身の臓器障害を進める可能性がある病気として考える必要があります。
いびきと無呼吸症候群を疑う時に行う検査
簡易検査(自宅でできる検査)
まずはご自宅で行える簡易検査で、睡眠中の呼吸状態や酸素低下の有無を調べます。指や鼻のセンサーをつけて一晩眠ることで、無呼吸・低呼吸の程度を評価します。SASが疑われる場合の初期評価として広く行われています。
精密検査(PSG)
簡易検査で異常が疑われる場合や、症状の割に結果がはっきりしない場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を検討します。PSGは脳波、呼吸、酸素、心拍、体動などをより詳しく評価できる精密検査です。AASMの診断ガイドラインでも、簡易検査が陰性・不十分・判定困難な場合はPSGが推奨されています。
以上の検査で睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、治療を検討します。
治療法について
CPAP療法
中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、CPAP(持続陽圧呼吸療法)が標準的な治療です。就寝時にマスクを装着し
、空気を送り込んで気道を広げ、無呼吸を防ぎます。日本呼吸器学会の一般向け解説でも、AHI 20以上で日中の眠気などを伴う場合、CPAPが標準的治療とされています。
マウスピース(口腔内装置)
軽症~中等症の一部では、下あごを前に出す口腔内装置(マウスピース)が有効なことがあります。CPAPが合わない場合の選択肢になることもあります。
生活習慣の改善
体重増加は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の大きな要因です。減量、飲酒を控える、仰向け寝を避ける、睡眠薬の見直し、鼻づまりの治療などで改善する場合があります。特に肥満がある方では、体重管理が非常に重要です。
原因に応じた治療
扁桃肥大、鼻閉、あごの形態など、解剖学的な問題が強い場合には、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科と連携しながら治療方針を検討します。小児ではアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因になることもあります。
肥満と無呼吸について
肥満は、睡眠時無呼吸症候群の大きな原因のひとつです。
首やのど周囲に脂肪がつくと、睡眠中に気道が狭くなり、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。
実際に、肥満のある方では減量によって無呼吸の程度が軽くなることが多く、体重管理は治療の基本です。
ただし、減量だけで完全に改善しないこともあるため、必要に応じてCPAPやマウスピースなどを組み合わせて治療します。
当院の肥満治療に興味のある方は下記もご覧ください。
まとめ
いびきはよくある症状ですが、その中に治療が必要な睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
睡眠時無呼吸症候群は放置すると、心臓・脳・血管・代謝・腎臓など全身に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方で、検査で状態を把握し、CPAPやマウスピース、生活習慣の見直しを行うことで改善が期待できます。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。